変形性ひざ関節症とは
変形性膝関節症の特徴
変形性膝関節症とは膝内部の炎症による、進行性の関節疾患です。
変形性膝関節症は、ひざ関節内にある軟骨組織がすり減ることで生じます。軟骨は関節にかかる衝撃をやわらげる役割がありますが、加齢による摩耗や外傷や疾病によって、変形した膝関節に炎症を引き起こします。
この疾患の原因は、女性ホルモンの一種「エストロゲン」の減少が関わっています。そのため閉経後の高齢女性に多く見受けられます。なお、膝を頻繁に使う仕事や生活習慣にある方であれば、性別を問わず30代や40代でも発症するケースもあります。
症状について
主な症状としては2つ「炎症による痛み」と「膝に水が溜まる」症状が挙げられます。
炎症による痛みは、ひざの違和感や動きはじめの痛みなど軽症から始まり、慢性的に痛みを感じる中度、さらに症状が進行すると安静時にも痛みを感じるようになります。
また、すり減った軟骨の摩耗粉によって関節内に炎症が引き起こされ、多量の関節液が分泌されることで水が溜まる症状も引き起こされてしまうのです。こうした症状によって足の動作が阻害されて歩行障害などの悩みにつながるため、できるだけ早期の治療が望まれます。
※ スクロールできます
- 0:正常
- Ⅰ:関節裂隙狭小のないわずかの骨棘形成、または軟骨下骨硬化
- Ⅱ:関節裂隙狭小(25%以下)あるも骨変化なし
- Ⅲ:関節狭小(50%〜75%)と骨棘形成、骨硬化像
- Ⅳ:骨変化が著しく、関節裂隙狭小(75%以上)を伴う
Kellgren-Laurence分類(変形性膝関節症のgrade分類)
主な治療法
初期~中等度であれば服薬、運動器リハビリテーション、ヒアルロン酸注射などの保存的治療が一般的です。重度では手術治療が用いられるケースがあります。ただし、症状が重い全てのケースで手術が必要とは限りません。
近年では、人体が元来持っている治癒能力・組織修復能力に重点を置いた「再生医療」も新たな選択肢として注目されています。当院では再生医療の一種である「PRP療法」や「脂肪幹細胞療法」によって、症状の緩和をめざして治療を進めてまいります。
進行度で異なるこれまでの治療法
- 初期〜進行期
- 初期の変形性ひざ関節症治療として選択されるのが、リハビリ・足底板・痛み止め・ヒアルロン酸注射です。
特にヒアルロン酸注射は、保険適応のポピュラーな治療法です。
- 進行期〜末期
- 痛みや歩行障害が悪化した場合の選択肢は、手術です。高位脛骨骨切り術、人工関節置換術などがあります。